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2025/04/22
ダウンライトなしのLDK照明|後悔しない配置と組み合わせ例
リビング・ダイニング・キッチン(LDK)の照明といえば、真っ先に思い浮かぶのは「ダウンライト」かもしれません。天井がすっきりして見えるし、今どきの住宅っぽい雰囲気も出せる。ただ、「ダウンライト=正解」ではありません。
実は今、あえてダウンライトを使わないLDK照明の選択肢がじわじわと増えてきています。
なぜ「ダウンライトなし」?
ダウンライトにはメリットも多いですが、同時に見落とされがちなデメリットもあります。
配置が難しく、明るさにムラが出やすい
一度つけたら後からの変更がきかない
製品によって眩しさ(グレア)を感じる場合もある

「せっかくダウンライトを入れたのに、居心地がイマイチ…」という声も実際によく聞きます。
ダウンライトなしでも、明るくて快適な空間はつくれる
では、ダウンライトなしでどうやってLDKを照らすのか?ポイントは、「間接照明+多灯分散」です。
例えばこんな組み合わせがあります:
キッチンにはライティングレール+スポットライト
ダイニングテーブルの上にはペンダントライト
リビングにはブラケット照明やフロアランプ、間接照明やライン照明
天井をフラットに保ちつつ、必要な場所に必要な明かりを届けることで、空間の表情も、暮らしやすさも大きく変わります。

配置と組み合わせの実例
具体的にどう配置するか、14畳程度のLDKを例にすると:
キッチン:ライティングレール(スポット6灯)で作業カウンターをしっかり照らし、カウンター下や吊戸棚の下には直線型の間接照明を入れて、手元全体を明るく均一に照らします。
【キッチンにダウンライトを使わない具体例は こちらの記事をご覧ください】
ダイニング:テーブルの上にペンダントライトを配置(位置はテーブルの中央がおすすめ)
リビング:ソファの角にフロアランプを置き、壁付けのブラケット照明で空間をゾーニングします。さらに、TV背面や棚下に間接照明を入れることで、落ち着きのある雰囲気と十分な明るさを確保できます。

このように、「必要な場所に必要な光を」届けるイメージで器具を選んでいくと、均一な明るさ以上に心地よい照明バランスが生まれます。
照明計画を自動化するツールCHUBICなら、こうした配置パターンも図面をもとに自動で提案されるので、実際の空間に即したプランを手軽に検討できます。
施工の自由度もアップ
もうひとつのメリットは「後からの調整がしやすい」こと。特にリノベーションや注文住宅では、間取りや生活スタイルが変わることもあります。ダウンライトを避けておけば、後から照明を足したり、位置を動かしたりするのも簡単。照明プランの自由度が格段に上がります。
よくある疑問や不安も、実は解決できる
「ダウンライトを使わないと暗くならない?」と不安に思う方も多いかもしれません。でも実際には、灯りの位置や当て方によって、体感の明るさは大きく変わります。視線の先や壁面に光が当たるだけで、同じ照度でも空間がパッと明るく感じられることも。特に、ペンダントやブラケット、棚下照明などを組み合わせることで、全体のバランスも取りやすくなります。
また、「間接照明だけで足りるの?」という疑問もありますが、これも器具の選び方と配置次第で十分カバーできます。壁や天井をうまく使えば、光がやわらかく拡散され、落ち着きのある空間に。
【詳しくはこちら:「間接照明と直接照明の違いと使い方」】
ダウンライトを“とりあえず”で入れてしまうと…
よくあるのが、「とりあえず6個くらい均等に入れておけばOKでしょ」というパターン。でもこれ、実はとても危険です。
明るすぎてリラックスしづらく、家なのにオフィスのような雰囲気になってしまう
テーブルやソファの位置と合っていない
壁や床の仕上げによってグレア(まぶしさ)が発生し、視界に不快感を与える場合も
天井ばかりが明るくて、空間がのっぺり見える
特にダウンライトや丸形シーリングライトは下方向だけを照らすため、天井面が暗くなり、空間全体が暗く感じる
など、「見た目はシンプルなのに、居心地が悪い空間」になってしまうことも。
自動照明プランナーCHUBICでは、こうした照明計画の“あるある失敗”を避けるためのサポート機能が充実しています。図面をもとに、用途や家具配置に合わせて最適な明るさと器具の配置を自動で提案。プランを見比べながら、「これだ!」という組み合わせを見つけることができます。
ダウンライトなしで設計する前に知っておきたい注意点
ダウンライトを使わない照明計画にはたくさんの魅力がありますが、もちろんどんな空間でも万能というわけではありません。
採用する前に、次のようなポイントを意識しておくと安心です。
器具が見える分、空間に“ごちゃつき感”が出やすい
→ 器具のデザインや配置に統一感を持たせるのがコツです。
掃除・メンテナンスの手間が増えることも
→ ペンダントやフロアライトはホコリがたまりやすいため、設置場所を選ぶときは「手が届きやすいか」もチェック。
配光や照度のバランスを取るのがやや難しい
→ ダウンライトと違い、均一な明るさは出しづらいため、「どこを明るくして、どこを落とすか」の設計が重要です。

とはいえ、これらはすべて設計段階で工夫すれば解決できることばかり。
小さな選択が、空間の心地よさを変える
ダウンライトにするか、しないか。たった一つの選択でも、暮らしの快適さは大きく変わります。迷ったときは、実際にシミュレーションしてみるのが一番。まずは気軽に、あなたの理想の空間を想像してみてください。