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2025/05/30
[照明プランの失敗例と対策まとめ] 後悔しないための照明設計ガイド
照明計画において、後悔の声はあとを絶ちません。
「なんだか暗い」「まぶしくて落ち着かない」「家具の配置と合ってない」・・ せっかくリノベや新築にこだわったのに、照明だけがチグハグ…そんな失敗を防ぐには、ありがちな落とし穴を事前に知っておくのが一番です。
この記事では、自動照明設計ツールCHUBICのユーザーから寄せられた声や、実際の事例をもとに、「あるある失敗」とその対策をまとめました。
失敗①:ダウンライトを均等配置しすぎて失敗
天井をすっきり見せたいという理由で、広角ダウンライトを6個程度、天井に均等に配置するケースはよくあります。
見た目は整っていても、実は以下のような問題が起きやすくなります:
天井ばかりが明るく、空間がのっぺりと平坦に見える
食卓やソファまわりなど、本当に明るさが欲しい場所が暗いまま
光が一様に分散されることで、グレア(まぶしさ)が発生し、落ち着かない
これは「必要な場所に必要な光が届いていない」ことが原因です。
明るさがどこも同じだと、空間にメリハリが生まれず、居心地の悪さにつながります。
▶︎対策:
ダウンライトは、あくまで「全体をふんわり照らす補助的な照明」として使いましょう。
明るさが必要なのは、人が集まる場所・作業する場所・目線が集まる先です。
たとえば:
ダイニングにはテーブルの真上にペンダントライトを吊るす
リビングでは壁際にブラケット照明、ソファ脇にフロアライトを置いて柔らかな明るさを
テレビ裏には間接照明を仕込むことで、空間にバランスとコントラストを
器具選びでは、グレアが出にくいタイプを選ぶと安心
照明の配置は、数や均等性ではなく、「どこに光を届けたいか」という“目的地”から設計するのがコツです。
ペンダントや間接照明とのバランスについては、ダウンライトとペンダントの使い分け方で詳しく解説しています。
失敗②:全体的に暗くて使いづらい

「おしゃれな間接照明を入れたのに、夜になると薄暗い」「キッチンの手元が影になって困る」など、明るさ不足による後悔も非常に多いです。
照明の明るさ(照度)は、用途によって必要な基準が異なります。リビングとキッチン、寝室では、快適な明るさはまったく違うのです。
▶︎対策:
暗さの原因は、「器具が足りない」よりも照度(ルクス)不足であることが多いです。
まずは用途に合わせたルクスの目安をチェックしましょう:
キッチン:500〜600lx → スポットライトや棚下灯で手元を強化
リビング:200〜300lx → スタンドや間接照明で補助
書斎や作業スペース:500lx以上 → デスクライトを追加
CHUBICでは、間取り図をもとに各エリアに必要な明るさを自動で計算し、器具の数まで提案されるので、感覚に頼らず安心です。
用途別の目安は、部屋別ルクスの正しい目安にまとめています。
また、照度の簡単な計算方法では、自分でルーメンからルクスを逆算する方法も紹介しています。
失敗③:ペンダントやブラケットの位置・高さミス
「ペンダントライトが目線にかぶる」「スタンドライトの光がソファの背にもろに当たって落ち着かない」など、器具の配置や高さのミスもありがちです。
照明は高さ・照射範囲・光の向きによって印象が大きく変わるため、配置が雑だと「見た目はいいのに居心地が悪い」空間になりやすくなります。
▶︎対策:
位置や高さで失敗しないためには、「光の落ちる位置」と「人の目線・動き」をセットで考えることが大切です。
ペンダントライトはテーブル天板から60〜80cmの高さが基本
スタンドライトはソファや椅子の背と干渉しない位置に
ブラケット照明は壁面や天井を照らす“間接用途”として配置すると落ち着きやすい

また、家具やコンセント位置が確定してから照明を決めるとズレが起きにくくなります。
照明と家具の配置バランスを整えるには、照明の正しい配置、感覚に頼らない5ステップがおすすめです。
失敗④:色温度・演色性の選びミス

照明の色(電球色・昼白色など)や演色性(CRI)を気にせず選ぶと、以下のような違和感が起きます:
料理が美味しそうに見えない
洗面やクローゼットでの色味が不正確
空間の雰囲気が冷たく感じる
▶︎対策:
空間の用途によって、「暖かみのある光」か「すっきりとした白色光」かを意識して選びましょう。
ダイニングやリビング → 電球色(2700K前後)で落ち着いた雰囲気に
キッチンや洗面 → 昼白色(4000K以上)+高い演色性(Ra85以上)で明るく色が正確に見えるように
照明の光色やCRIの失敗については、色温度と照度バランスのよくある失敗で詳しく解説しています。
失敗⑤:おしゃれさを優先しすぎて暮らしに合わない
「海外インテリアのようにペンダントを並べたけど、掃除が面倒だった」
「間接照明を設置したけど、スイッチを入れるのも手間で使っていない」
など、見た目重視で選んだ照明が実際の生活に合わなかったという声も多いです。
▶︎対策:
照明は見た目だけでなく、「使いやすさ」「掃除しやすさ」「スイッチの操作性」も大事です。
ペンダントライトはホコリがたまりにくい素材・形状を選ぶ
間接照明はスイッチの位置と生活動線を考慮して配置
器具が視界に入りすぎると疲れるので、家具とのバランスもチェック
実際のパターンは、3つのLDK照明プラン比較記事でご覧いただけます。
まとめ|照明の失敗は、事前に防げる
照明の失敗は、「感覚で決めてしまった」「見た目だけで選んだ」ことが原因で起きがちです。
逆にいえば、用途・照度・配置・生活導線を踏まえた設計ができれば、快適さと見た目を両立する空間は確実につくれます。
CHUBICなら、間取り図をアップするだけで、照度計算・器具の種類・配置案まで自動でプランニング。
「なんとなく」で失敗する前に、ぜひシミュレーションを試してみてください。