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2025/04/25

やっとわかる!ルクスとルーメンの違いをシンプルに解説

照明器具を選ぶ際は、器具の種類や色温度に加え、「ルクス」と「ルーメン」という指標を理解しておくことも重要です。

これらを知ることで、試行錯誤せずに、空間に適した光の強さと量を確保できます。光の強度は空間全体の雰囲気や使いやすさに影響するため、適切な明るさの設定は、建築やインテリアデザインの質を左右する要素と言えます。

近年では、CHUBICのように図面をもとに照度や器具の組み合わせを自動で提案できるツールも登場し、誰でも効率的に照明計画を進められるようになっています。しかし、ルクスやルーメンの基本を理解しておくことで、提案内容の意図を把握しやすくなり、自分の空間に合った判断もしやすくなります。

以下では、それぞれの意味や使い分け方を整理しながら、最適な照明を選ぶための考え方をご紹介します。

ルーメンとは?

ルーメンは、光源が放つ光の総量を表す単位です。簡単に言うと、照明器具が発する光の量を示しており、その光がどこに届くかは考慮されていません。ルーメンの値が高いほど、光源はより明るくなります。室内照明の一般的な光束は1100〜3000ルーメンですが、照明器具の設置高さや照射範囲によっても変わります。また、ルーメンは光効率(消費電力あたりの光量、lm/W)を測る際にも役立つ指標です。

ルクスとは?

一方、ルクスは光がどのように広がるかを示す単位です。1ルクスは1平方メートルあたり1ルーメンに相当し、特定のエリアにどれだけの可視光が届いているかを示します。ルクスの測定は照度が最も高い中心部分で行われ、エリアごとの光の強度を評価するために用いられます。

ルクスを基準とした照度の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

[照度の簡単な計算方法と明るさの目安|照明計画で失敗しないために]


ルーメンとルクス、どちらが重要?

どちらも重要な指標ですが、用途によって重視するべき指標が異なります。ルーメンは、照明器具の総合的な明るさを把握するために重要で、照明器具の明るさを比較するのに役立ちます。一方で、ルクスは特定の空間における光の強度を示すため、各エリアで必要な明るさを確保し、理想的な雰囲気を演出するために欠かせない指標です。

まとめると、ルーメンは器具の選定に役立ち、ルクスは空間での配置や使用方法に適しています。特に建築やインテリアのプロジェクトでは、実際の空間における体験を重視するため、ルクスがより重要視される傾向にあります。


ルクスとルーメンの使い分け

ルクスとルーメンの違いを以下にまとめます。

  • ルーメン:光源から放たれる光の総量を示し、光源自体の明るさを評価するために適しています。

  • ルクス:特定のエリアに届く光の強度を示し、その空間の照度を評価するのに適しています。

例えば、1000ルーメンの光源が1平方メートルのエリアを照らす場合、そのエリアの明るさは1000ルクスになります。しかし、10平方メートルのエリアに光が広がると、その照度は100ルクスに低下します。


各エリアにおけるおすすめのルクス(照度)

JIS(日本産業規格)には、建物や部屋、さまざまな作業に適した照度の標準が定められています。これらの基準によると、寝室には10~30ルクス、リビングには30~75ルクス、勉強や読書のためには500~1000ルクスが適切とされています。

さらに、家庭内の活動に必要な基本的な明るさ、つまり全般照明の基準値についても見てみましょう。

  • キッチン(作業エリア):500〜600ルクス

  • キッチン(一般エリア):200〜300ルクス

  • 寝室(読書エリア):500ルクス

  • 寝室(一般エリア):100〜200ルクス

  • 子供部屋(遊びエリア):300ルクス

  • リビング(一般エリア):200〜300ルクス

  • リビング(テレビエリア):50ルクス

  • 書斎・読書エリア:500ルクス

  • トイレ・浴室(一般エリア):200ルクス

  • トイレ・浴室(鏡エリア):300〜500ルクス

  • 廊下・階段:100〜200ルクス


実際の空間でどの程度の明るさが必要かを検討する際には、目的やエリアごとの基準が参考になります。 自動照明プランナーCHUBICを使えば、こうした基準を踏まえて最適な照度と器具配置を自動提案することも可能です。

まとめ

ルクスとルーメンを正しく理解することで、具体的な明るさを計画的に選べるようになります。ルーメンは光源そのものの総合的な明るさを示し、器具選びに役立ちます。一方で、ルクスは実際の空間で感じられる明るさを示し、エリアごとの照明設計に欠かせない指標です。

本記事で紹介した知識を参考に、それぞれの空間や用途に合った適切な明るさを取り入れてみてください。これにより、快適で機能的、そして魅力的な空間を作り出すことができます。照明は単なる設備ではなく、空間を活かす大切な要素です。

ルクスやルーメンに加えて、色温度や配光のバランスも空間の印象を左右する重要な要素です。 より納得感のある照明計画を立てたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

[色温度と照度バランスのよくある失敗と成功するポイント]

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